助成金申請代行をお願いしたい!社労士を選ぶ5つのポイント

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経営者の方の中には、資金調達のために「助成金」について詳しく知りたいと考えている方がたくさんいらっしゃると思います。事業資金を全て自己資金で賄うことは非常に難しく、多くの資金が必要になった際は、何かしらの資金調達のための手段を考えなければなりません。

銀行の融資を受けるという方法もありますが、「助成金を受給する」ということも大きなメリットのある方法の1つです。ここでは、助成金についての詳しい説明や、受給申請手続きで社労士に依頼する際の社労士選びのポイントなどについて説明します。

 1.助成金とは

助成金

助成金とは、返済の必要がない資金を指し、大きく分けると雇用関係の助成金(主に厚生労働省)と研究開発関係の助成金(主に経済産業省)に分けることができます。雇用関係の助成金は広く知られていることもあり、活用されたことがある経営者の方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、研究開発関係の助成金はあまり広くは知られていないこともあり、活用している企業は極めて少ないのが現状です。ここでは、経営者にとって活用しやすいだけでなく大きなメリットのある、雇用関係の助成金について詳しく説明します。

1−1. 助成金申請のメリットとは

お金

助成金のメリットは、ただ単に「お金がもらえる」というだけではありません。他にも企業にとって大きなメリットがあります。

 【返済の必要がない】

助成金は融資とは違い、返済する必要がありません。というのも、助成金の財源は企業が納めている雇用保険料だからです。

助成金は、失業防止や福利厚生の充実など労働者にとって適正な環境を整備した企業に対して、国から与えられるご褒美ということもできます。自社も雇用保険料を納めているわけですから、要件を満たしていれば堂々と助成金を受け取ることができます。

 【労働者にとって働きやすい環境が整備される】

助成金を受け取るためには、適正な労務環境の整備が必須となります。助成金には、従業員にキャリアアップのための研修を行ったり、非正社員を正社員化したり、残業時間を削減させるなどの制度があります。

企業がこれらの制度に取り組むことによって、従業員の労働意欲が増し、満足度も上がっていくことが考えられます。良い労働環境には良い人材も集まりやすくなるため、結果として企業の売り上げを伸ばす効果も期待できます。

【信用度が増すため、公的融資が受けやすくなる】

厚労省の助成金の受給対象になったということは、言い換えれば「国が求めている労働環境が整備されている」と認められたことになります。

同様に、経済産業省の助成金の受給対象になった場合は、その企業は国から「社会的に貢献していく内容で、発展性がある」との評価を得たという証拠になります。 このように、国からの評価・信頼を得た企業は、銀行からの印象も良く、公的融資を受けやすくなる傾向にあります。

1−2. 料金相場はどのくらいなの?

助成金の申請は自分で手続きを行うこともできますが、助成金に精通している「社労士」に依頼することをおすすめします。助成金を専門としている社労士は、数ある助成金の中からその企業にとってメリットの大きい助成金を選ぶ際などに、適切なアドバイスをしてくれます。

また、助成金の申請に必要な書類を作成するには時間を要するものが多く、本来の業務に専念することができません。その作業を社労士に依頼すれば、本業に専念することができるため、会社の売り上げアップにもつながります。

助成金の申請を社労士に代行してもらえば、このようなメリットがありますが、やはり費用を支払う必要があります。社労士報酬はどの位の相場なのか、非常に気になるところです。

もちろん料金設定は社労士によって異なりますが、ここでは一般的な料金相場を紹介します。助成金申請の代行料金は、「着手金+成功報酬」か「成功報酬のみ」の2つのタイプがあります。

一般的な金額は、以下の通りです。

着手金 成功報酬
着手金+成功報酬 2~5万円 助成金額の10~15%
成功報酬のみ 0円 助成金額の15~30%

1−3.助成金の種類や実際いくらもらえる?

助成金には様々な種類があり、3,000以上の助成金が存在しています。また、新しい助成金が始まったり、終了したりしていますので、今どのような助成金があるのかは、きちんと確認する必要があります。

では、肝心の「いくらもらえるのか?」について、数ある助成金の中からいくつか例を挙げて紹介します。

【雇用に関する助成金】

  • 特定求職困難者雇用開発助成金:90万円以上
  • 試行雇用奨励金:試行雇用期間中、4万円/月
  • 派遣労働者雇用安定化特別奨励金:100万円/人(中小企業)、50万円/人(大企業)

【創業に関する助成金】

  • 受給資格者創業支援助成金:設立後3ヶ月以内に支払った経費の1/3(上限設定あり)
  • 地域再生中小企業創業助成金:創業に関する経費の1/3~、30万円~/人(最高100人まで)

【雇用維持に関する助成金】

  • 育児休業取得促進等助成金:支援額の3/4
  • 子育て期の短時間勤務支援コース:支給対象となる労働者が初めて生じたとき、~100万円

【制度導入に関する補助金】

  • 正社員転換制度奨励金:1人目40万円、2人目からは20万円/人(最高10名まで)
  • 訓練等支援給付金・職業能力評価推進給付金:訓練費用の1/3~、訓練中の賃金の1/3~

【中高齢者に関する助成金】

  • 中小企業定年引上げ等奨励金:製剤定期支援額の3/4
  • 高年齢者等共同就業機会創出助成金:経費の1/2~(最高500万円)

なお、これらの情報は随時変更されることがありますので、あくまでも参考程度に捉えてください。

2. 助成金申請代行 社労士を選ぶ5つのポイント

社労士

助成金の申請を社労士に代行してもらう場合、社労士選びには押さえておきたいポイントが5つあります。ポイントを押さえて、失敗しない社労士選びをしましょう。

2−1. 自社のニーズと社労士の得意分野が一致しているか

社労士の業務内容は多岐にわたります。社労士には、全体的に浅く広く受け持つ社労士と、特定の分野に特化した社労士の2タイプがあり、助成金申請代行を依頼する場合は、後者の専門性を有した社労士を選んだ方が、有益な情報を得ることができます。

また、社労士には労働関連や社会保険に関する手続きを代行する「アウトソーシング型」と、人事や労務管理に関する依頼を受け持つ「コンサルティング型」があります。社労士を選ぶ際は、申請する助成金について専門的な知識を有した社労士を選ぶことが大事なポイントです。

2−2. 社労士のこれまでの実績などをチェックする

助成金申請代行を依頼する社労士を選ぶ際には、その社労士がこれまでにどのような企業のどのような業務に携わってきたのかを知ることが、とても大切です。社労士の多くは、ネット上でプロフィールや実績などを公開していることが多いため、その内容について必ず確認しておきましょう。

2−3. 顧問契約の内容を明確にしておく

社労士の業務は多岐に渡るため、費用の安さだけで選んでしまうと自社が依頼したい業務内容と実際に引き受けてもらえる業務に食い違いが生じる可能性があります。

社労士と顧問契約を結ぶ際には、①具体的な業務範囲について②契約期間と更新について③費用の支払いについて④訪問回数や内容についてなどをしっかりと書面で明確にしておきましょう。

2−4.信頼できる社労士(事務所)に依頼する

社労士選びでは、「相性」も大事な要素になります。社労士本人だけでなく事務所のスタッフなども、しっかりとした受け答えができ、信頼できることがとても大切です。信頼できる社労士または社労士事務所を選ぶために、できれば顧問契約を結ぶ前に、一度相手の事務所を訪問することをおすすめします。

また、登録年数や売上高なども、社労士事務所の信頼性をはかる1つの目安となります。

2−5.報酬について明確な料金相場を提示している

社労士は、助成金申請代行をはじめ様々な依頼を受けており、それぞれの依頼について報酬を決めています。契約前に、料金についてきちんとした説明をしてくれるかどうかは、相手を信用する上でとても大切なことです。

料金は社労士によって設定額が異なりますが、一般的な金額と大きく異なる場合には注意が必要です。

 3.実際に助成金を受け取るまでの流れ(モデルケース)

書類

では、実際に助成金を申請して受け取るまでの流れについて見ていきましょう。

【STEP1】どの助成金を申請するか判断する

数ある助成金の中から、どの助成金を申請したらいいのか、条件に当てはまるかなども含め判断します。専門の知識を有した社労士に依頼する場合は、有効なアドバイスが得られるでしょう。

 【STEP2】助成金受給のための審査を受ける

助成金申請に必要な申請書類や添付書類を提出します。提出を受けた行政機関では、それらの書類に間違いがないか、添付書類がもれなく提出されているかを審査します。

 【STEP3】審査通過が決定する

提出した申請書に間違いがなく、添付書類も全てそろっている場合には、助成金の受給が決定します。審査が通過し支給が決定すると、企業あてに「支給決定通知書」が送付されてきます。

もし審査に落ちてしまった場合は、「不支給決定通知書」が送付されてくることになります。

【STEP4】助成金が振り込まれる

支給決定通知書が届いたら、いよいよ助成金が振り込まれます。通常、通知到着後2週間以内に、指定した口座へ振込まれます。

 4.気をつけて!助成金代行の注意点

最近は、雇用関係の助成金を不正受給しているケースが目立ち、それに伴い労働局の審査が厳しくなっています。実際に、助成金申請を勧誘するコンサルティング会社が多くなっており、その中には不正受給をそそのかすようなケースもみられます。

「お金がもらえる」という甘い言葉に惑わされ、重大なペナルティを課されることがないように、注意すべきコンサルティング業者の特徴を押さえておきましょう。

 【こんなコンサルティング会社には注意】

最初に断っておきますが、コンサルティング会社は、基本にルールを守って業務を行っている会社がたくさんあります。しかし、その中で不正受給を勧めてくる会社もありますので、その特徴について説明します。

不正受給を勧めてくる会社は、例えば「どんな会社でも簡単にお金がもらえますよ」や「助成金で一儲けしちゃいましょう!」などという極端な文言で経営者の気を引く営業や広告を出す傾向があります。

そもそも助成金はただ単にお金をもらうだけのものではなく、そのお金で従業員の待遇を改善したり、研修を行ったりするためのものです。

悪質なコンサルティング会社かどうかを見分けるポイントは、助成金を「もうけ話」と捉えているのではなく、企業の経営課題などに丁寧に耳を傾けられているかが、1つの判断基準になります。

また、着手金だけを入金させ、その後は放置してしまう悪質なコンサルティング会社も見られるため、信頼できる会社かどうか納得のいくまで話し合うことが大切です。

最後に大事なことですが、助成金申請の代行業務は社労士の特権業務です。その境界を侵していないかどうかについても、きちんと確認することが大事です。

 5.まとめ

助成金には、3,000以上のたくさんの種類がありますので、自社にとってメリットのある助成金選びも迷ってしまうかもしれません。そのような場合は、社労士に助成金申請代行業務を依頼することをおすすめします。

専門の知識を有した社労士は、きっとその企業にベストマッチする助成金を選び、業務を行ってくれることでしょう。信頼できる社労士を選ぶためのポイントを押さえて、安心して任せられるパートナーを選んでください。

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