モンスター社員とは!?5つの特徴や具体的な対処方法

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モンスター社員

近年、「モンスター社員」が企業で大きな問題となっています。モンスター社員に手を焼いている経営者の方も多いのではないでしょうか?

モンスター社員が引き起こす問題は、企業のイメージダウンに繋がる可能性もあり、そのまま放置するわけにもいきません。そこで、モンスター社員の特徴をよく理解し、どのように対応していけばいいのかを考えるのが大変重要になります。

では、モンスター社員とはどのような社員を指すのかその定義から確認してみましょう。

1.モンスター社員とは

モンスター社員

モンスター社員とは、「常識を逸した態度で周囲の人を振り回し、会社や上司などが対応に困っている社員を「モンスター社員」と呼んでいます。

例えば、会社の繁忙期に平気で有給休暇を取得したり、周りの都合を考えず福利厚生などを徹底的に利用しても全く気にしなかったり、逆に自分の都合が悪くなると、裁判など外部機関を巻き込んでの争いを引き起こしたりします。

経営者にとっては大変危険な存在ともいえます。会社にとって不利益をもたらすモンスター社員ですが、そういった社員はどのような特徴をもっているのでしょうか?

2.モンスター社員の特徴

モンスター社員と一口にいっても、その人によってモンスターぶりは様々ですが、共通した特徴も見られます。

主な特徴は次の5つです。

  • 常識を逸した自己中心的な行動をとる
  • 「軽く扱われた」と感じると攻撃的になる
  • 相手によって態度を変える
  • 親が会社に乗り込んできて経営者に直談判する
  • 自信過剰になるのは、実は自分に自信がないから

では、それぞれの特徴について、詳しく見ていきましょう。

2−1.常識を逸した自己中心的な行動をとる

モンスター社員と呼ばれる人たちの共通点として、「自己中心的な人」ということが挙げられます。その常識を逸した自己中心的な行動・言動で、周りを困惑に陥れます。

自己中心的な人はプライドが高いことが多いため、他の人の意見やアドバイスに聞く耳を持ちません。たとえ相手が上司であっても自分を守るために攻撃的な態度をとることもあります。

また、定時まではのらりくらりと過ごし、残業代が発生する時間になると本格的に仕事を始めるなど、ずる賢い所もあります。さらに驚くべき事例として、法律で定められている人間ドッグは受診せず、その分の現金を要求してくるなど、常識を逸した自分勝手な言動が目立ちます。

しかし、モンスター社員の自分勝手な言い分や行動をそのままにしてしまうと、突然会社を辞めたり、突然裁判に訴えてきたりするケースもあります。常に「自分が一番」なので会社の同僚や上司などに迷惑がかかってしまっても本人は一向に構わないのです。

2−2. 「軽く扱われた」と感じると攻撃的になる

モンスター社員は自意識過剰である場合が多く、根拠もないのに「自分は相手に利用されている」という捉え方をしてしまい、一たび相手から攻撃されていると感じると攻撃に出る傾向があります。

また、人に関心を持ってもらいたいという欲求も強いため、自分の会社への貢献を強く主張することがあります。

それに対して周りの反応が微妙だと「周りから軽く扱われた」と感じてしまい、自分のプライドを守るために、「上司が自分の貢献を適性に評価してくれない」と人事部に苦情を申し立てたり、自分の期待以上の評価が得られないとどんどん機嫌が悪くなり、周りに当たり散らすだけでなく、恨んだりもします。

このように、「軽く扱われた」と思い込むと猛烈に攻撃してくるのも大きな特徴といえます。

2−3.相手によって態度を変える

モンスター社員は空気を読まないと思われがちですが、実は相手や状況によって態度を変えて、いかに自分が優位に立てるかを考えています。たとえ尊敬していない相手でも、自分に都合の良い状況を作るために、相手をコントロールして社内で敵と味方を作り出してしまうケースもあります。

それによって、社内の人間関係が乱れてしまい、労働環境が悪化してしまいます。

自分にとって都合のいい人には、過剰にへりくだりご機嫌をとろうとしますが、自分の思い通りのもの(こと)が手に入った途端に態度がコロッと変わり、ご機嫌をとっていた相手のことを一気に突き放すこともあります。

モンスター社員の中には、自分にとって都合のいい人脈の中では上手に立ち振る舞える人もいるので、全ての社員に嫌われるというわけでもなく、それがまた恐ろしさでもあります。

2−4. 親が会社に乗り込んできて事業主に直談判する

モンスター社員は、会社に対する不満や上司に叱られたことなど、自分の気に入らないことはすぐに親に言いつけるという特徴も持っています。仮に自分が犯したミスでも、都合が悪くなると他の人にミスを被せたり、さらには自分こそ被害者だと主張することも少なくありません。

しかし、それらの言い訳・言い分が通らない場合、その不満を親に言いつけ、親が会社に乗り込んでくることになります。恐ろしいのは、モンスター社員の親もまたモンスターであることが多いことです。

「うちの子が他人のミスを擦り付けられた!」「上司からのパワハラを受けてショックで寝込んでいるから慰謝料を払ってほしい!」など、事業主に直談判する親もいます。モンスター社員を生み出すのは、モンスターペアレントの影響もあるといわれています。

2−5. 自信過剰になるのは、実は自分に自信がないから

モンスター社員は自信過剰であることが多く、自分は特別な存在だと自分を過大に評価することがあります。自分の実績などをことさら誇張して主張し、周りからの賞賛を期待します。

また、周りに対する気配りや配慮ができないため、相手がどう思っているか全く気にすることがありません。よって、相手が傷つくようなことでも平気で口にしたり、見下した言動をとります。

その反面、自分では解決できない問題にぶつかると、平気で人に押し付けて自分は無関係になりたがります。モンスター社員は、平気で人を利用し責任が発生する局面からはできるだけ回避しようとする行為が見られ、自分が批判の対象となることについて異常なほどに警戒します。

これは、もともと自分に自信がないことの裏返しで、「批判」や「拒絶」に大きな恐怖を感じているからともいえます。

3.モンスター社員を雇用した際の対処方法

今現在モンスター社員に悩んでいる経営者もいらっしゃれば、今は問題なくてもこの先こういった問題に悩むことが出てくることも大いに考えられます。そこで、モンスター社員を雇用してしまった場合の対処方法について前もって学んでおくことが大切です。

【採用時に見ぬく】

採用時に見ぬくことができれば、会社に大きなダメージを受ける前にモンスター社員を阻止することができます。

モンスター社員を見抜くコツは、

  • 1年間のうちに何度も転職を繰り返している
  • 面接時などに必要書類を用意してこない

などの行為が見られる求職者はモンスター化する可能性があります。また、採用試験時に行う適性検査などの結果も参考にすることも大事です。

【従業員の評価基準などを見直す】

従業員の評価基準が、能力や業績を主な基準としていると、モンスター社員は周りの人を利用し責任のあることを回避しながらうまく立ち回るという特徴があるので、協調性のない人が昇進していってしまうことが考えられます。

真面目に働いている人がモンスター社員からの責任の押し付けなどで不利益を被らないように、適正な評価基準を見直す必要があります。

【能力を発揮できる部署を探す】

モンスター社員は、高い能力を持ち合わせている人も少なくありません。現在の部署が合わずにモンスター化していることも考えられるため、モンスター社員が活躍できる部署を探して、適所適材を念頭に置いた配置替えを考えるのも必要です。

4.モンスター社員は解雇に出来る!?

会社にとって不利益をもたらすことの多いモンスター社員。経営者にとっては「すぐにでも解雇したい!」というのが本音でしょう。

しかし、いきなり解雇するのは絶対にしてはいけません。いきなり解雇は、裁判になった場合ほぼ無効になってしまいます。裁判で解雇が正当であったことを認めてもらうのは非常に大変なことです。

そこで、会社側からの解雇とせずに、「自主的に退職」してもらうことを目標にしてみましょう。モンスター社員が退職届を自分から提出するのであれば、後になってから「不当解雇だ!無効だ!」とは言いにくいものです。

自主退職を促すために、モンスター社員のどういう言動が、会社にとってどういう迷惑になっているのか、何度も繰り返し指導し、理解させる努力をすることが大事です。

もし、上司1人が対応するだけでは不十分であれば、経営者自らも共に指導する必要もあります。しかし、上司や経営者の再三の指導にも関わらず、状態が良くならない場合は、懲戒処分を順に行っていくことが必要です。

「解雇」は、法律上従業員に対する最終手段ですので、様々な手を尽くしたが、どうしてもだめだった場合に、初めて行使することができます。ですので、モンスター社員の問題ある言動に対して、戒告などの軽い懲戒処分から初めて、それでも状況が変わらなければ徐々に重い処分を課していきます。

大事なのは、処分をしたときは毎回正確に、問題となった行動やそれについての処分内容を書面でしっかりと残しておくことです。この記録が、仮に解雇することになって解雇無効の裁判になった場合、会社としては解雇に向けてのプロセスをきちんと踏んだことを主張することができます。

労働者の権利は法律で厚く守られているため、解雇に関することは大変難しい問題です。モンスター社員にあきらめずに指導を繰り返し行い、それでも改善されない場合は軽い処分から初めて、どうしてもだめだと判断した時に解雇処分をとるようにしましょう。

その際、記録をとることを忘れずに行うことが大切です。

5.まとめ

モンスター社員は、自分の思い通りにならない時、恨んだり仕返しをしたり、攻撃的な言動をとったりと、周りの社員に迷惑をかけるため、職場環境が悪化してしまいます。

また、業務自体もスムーズに行えなくなり、会社としても不利益を被ることになってしまいます。このようなモンスター社員に悩まされないためには、採用時に見抜くことが第一ですが、採用後モンスター化してしまう社員も少なくありません。

そういったモンスター社員は現状に不満を抱えていることもあるので、言い分に耳を傾け、もしもっとふさわしい部署があるのなら配置換えなどをして、能力を発揮してもらえると解決できる場合もあります。

会社にとって不利益をもたらすモンスター社員ですが、「すぐに解雇したい」という気持ちはぐっと押さえて、まずは根気よく指導することが大切です。

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