創業融資の審査で押さえておくべき5つのポイント!

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創業(起業)を考える場合、もしくは創業間もない方が最も気にかけることは資金繰りでしょう。創業にかかる資金は、すべて自己資金で賄えるのならば一番良いことですが、現実にはなかなかそうもいかないものです。多くの場合「不足した創業資金」は、銀行や信用金庫などの金融機関(あるいは地方自治体など)から、借り入れする流れになります。

しかし銀行などからの資金の借り入れは、容易ではありません。どこから借り入れをするか? じつはあまり知られていないことですが、創業融資と呼ばれる制度の多くは、企業にあたっての資金準備はもちろん、起業した後でも利用できるのです。その中でも、株式会社日本政策金融公庫を利用することが「一番融資の可能性が高い」のです。

1.創業融資とは

株式会社日本政策金融公庫(以下、「日本公庫」と呼びます。)における「創業にかかる融資制度」の概要は、以下の通りです。

創業にかかる融資制度の概要

  •  融資限度額は、3,000万円(うち運転資金1,500万円)
  •  基準利率は、年2.16~2.55%(税務申告を2期終えていない方の場合)
  •  担保、及び保証人は原則不要

市中銀行や信用金庫に比べて魅力ある制度と言えると思います。

尚、創業資金の審査は、必ず日本公庫の支店に出向いて、審査担当者との「面談」を受ける必要があります。面談はいわばお金を借りるにあたってのプレゼンです。その場合のチェックポイントは次の2点です。

  • この企業は、将来にわたり持続していけるだろうか。(企業維持力)
  • この企業は、間違いなく返済していけるだろうか。(返済力)

この面談の結果で融資の可否が決まるのです。

2.銀行はここを見る!審査の5つのポイント!

2−1.自己資金はどの程度準備できているか?

自己資金については当然ですが、「出来るだけ多い方」が、審査担当者は納得しやすくなります。なぜなら、自己資金が多ければ借入金はその分少なくすることができ、今後の経営への負担は軽くなるからです。また、キチンと自己資金が準備できているという事で、創業への本気度をアピールすることができるからです。

2−2.必要借入金は明確に

借りる側からすれば「出来るだけ多く借入したい、あまったら取っておけばいい」と考えてしまいがちです。

しかし貸す方は明確に「こういう使いみちで、300万円の借入が必要です」等、具体的に説明しなければ納得しませんし、日本公庫からの借入金の使いみちは「事業に使う資金」に限られています。当然ですが事業主の生計費には使えません。

さらに、銀行や金融機関からの借入金は、毎月決められた額を返済しなければならないお金で、かつ利息がかかります。一般的に「借入金は、少ないほうが経営状態は健全」なのです。したがって、明確に何のために、いくら必要なのか答えられることは審査には大変重要なのです。

尚、創業資金にかかる借入額は、以下の式で表されます。

  • 創業にかかる金額-自己資金=必要借入額

まずは「必要な借入れ額」算出してみましょう。

2−3.取引先は確保できているか

取引先(顧客)が確保できているかも、融資を受ける上で大切な要素です。

例えば、独立して「開業する」ケースを想定してみましょう。一方は円満退職で、元の勤め先からも支援してもらえることになっています。他方は、元の勤め先と喧嘩をしてしまい、やむなく独立することになりました。この場合、審査をうける上でどちらが優位か、お分かりいでしょう。

円満独立の方が「取引先が確保できている」という理由で、融資を受ける上で優位になるのです。2-2の場合と同様に、創業にあたっての準備がきちんとされているかどうかが大事ということです。

2−4.創業計画書で納得させる

この創業計画書とは、一言で表すなら「お金を返せる根拠を相手に伝える書類」です。創業したての方には過去の実績がないため、その事業で利益を出してお金を返せるかが分かりません。そこで、この創業計画書で、「自分は借りたお金を、利息とともにしっかり払えますよ」ということを伝えるのです。

創業計画書は、あなたがお金を貸すに値する相手かを判断するための重要な書類です。しかし、単に熱意ややる気だけでは、納得してもらえません。数字の裏付けが創業計画書には必要です。いくらの売上が見込めるのか?経費はいくらなのか?結果としていくらの儲けになり返済はどうなるのかの一連のお金の流れを数字で論理的に整合性をもって説明できることが必要です。

相手はいくつもの事例を見てきています。作った数字はバレてしまいますし、どこかで整合性がとれないものです。事前にしっかりシミュレーションを行って数字の根拠を明確にしていくことが大事です。

2−5.自分の強みは何かを把握する

企業経営はライバル会社と競い合いながら企業を維持し「返済出来るだけ以上の利益」を上げなければなりません。競争に勝つためには自らの企業にどんな「強み」があるのか、あなた自身が把握し説明できなくてはなりません。

自社の売りが何なのか、チェックしてみてください。

  • 自社の強みの源泉は何か
  • それは他社がまねのできない、模倣性が困難なものなのか
  • 強みは価値の提供=売上に繋がっているか

 3.創業融資の手続きの流れ

日本政策金融公庫の各種の創業融資制度の融資実行手順はつぎの通りです。通常は、申込から1ヶ月ぐらいで融資が実行されます。

  • 支店窓口へ
  • 借入の申込(必要書類の提出)
  • 面談 30分から1時間で終わります。
  • 果の通知 結果は、面談後、1~2週間で通知されます。
  • 融資実行

4.起業家が陥りやすい融資の注意点!

申請にあたり注意すべきこと、やってはいけないことがいくつかあります。ここではおもなもの3点について挙げておきます。

4-1各金融機関が定めてある条件を守らない

日本政策金融公庫であれば、融資を申請する条件として創業資金の3分の1以上の自己資金が必要であるといったことや、開業後2期分の税務申告が終了しているものは、融資の対象外になります。

4-2提出書類に記入ミス、記入もれ

融資を受ける際にはまず申請書類を提出していかなくてはいけません。借入申込書や事業計画書など多くの書類を提出していくことになります。当たり前のことですが、書類において、記入ミスや記入もれがあると、かなりのマイナス評価になります。必ず提出前に十分にチェックしましょう

4-3金融・保険業の一部を会社目的に入れてしまう

日本政策金融公庫、信用保証協会の両方が金融、保険業の一部を禁止事業と定めています。会社目的を確認して問題ないか、確認しましょう。

5.まとめ

信用力がないスタートアップ期には、民間金融機関からの通常融資を受けることが難しいため、創業資金のうち、自己資金でまかなえない部分は創業融資で資金調達することが有効です。しかし、融資には審査があり、この審査を通ることが融資を受ける為に必要です。

創業融資における5つのポイントを説明してきましたが、全体を通してのポイントをまととめると、創業の準備をきちんとする事が何より大事です。必要な資金はいくらなのか、見込まれる売上はいくらか、結果いくら儲かるのかなど数字で具体的に示すことが必要です。

さらにその数字は綿密な計画とデータから導かれた整合性のある数字でなければなりません。そして全体の計画がストーリーとして一貫性のある内容になっていることが、審査に通るためには大変重要です。

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