世間には誘惑的な言葉が満ちています。フリーランスもその一つでしょう。
自分の好きな仕事で稼げる。好きな時間、好きな場所で稼げる・・・。
さて、稼げる=収入ですが、「収入あるところ課税有り」の日本で、フリーランスの確定申告について考えてみましょう。
1.フリーランスとは・・
フリーランスの元々の意味は中世ヨーロッパの「傭兵」。
自由契約で雇われる兵士です。フランスでは今でも傭兵の制度が有るようです。
「特定の企業や団体に属さず、自分の才覚や技能で独立している個人事業主」とでも表しましょうか。自由にのびのび・自分らしくのイメージがあふれていますが、実際はやはり仕事ですから、厳しい部分もあります。
今はクラウドワーキングと言う働き方も広まって、徐々にフリーランスで働く人の割合が増えていますね。
2.フリーランスはいくらからが確定申告必要?
フリーランスと言ってもお小遣い程度しか稼いでいないんだけど、確定申告はどのくらいの収入からするのかなあ?と、疑問に思っている人、いますよね。
「収入」と「所得」の違いを最初に理解してください。例えばモノを売って商品代金を受け取りました。と言う時、受け取った商品代金=「収入」です。「所得」は、「収入」から売る商品を仕入れた代金(または作った材料代)と商品を販売するために使った経費を引いた、残りの金額になります。
この「所得」に掛かるのが「所得税」です。確定申告は、この所得税を決めるための申告になります。誰にでも基礎控除というものが有って、計算した所得から38万円を引くことが出来ます。(その他にも社会保険料や生命保険料等の控除も有りますが、ここでは説明を割愛させていただきます。)
つまり、1年間の所得が38万円を超える場合は確定申告が必要になってきます。
3.もししなかったら・・・どうなるの?
今ネットショップやアフィリエイトで稼ぐ人が増えて来ています。
税務署でもなかなか実態が把握しにくい部分が有るようです。
課税の公平性から、この種の所得に課税しようと、税務署も実態の把握に力を入れてきています。
マイナンバーの導入も実態の把握のし易さに一役買っています。
ネットショップに限らず、所得が有るのに確定申告をしていなかったら、相応のペナルティが有ります。
脱税・無申告・過少申告・延滞。え?そんなつもりじゃなかったのに。知らなかっただけだし。・・・と言う言葉は、確定申告をしていなかった事実の前に無意味になります。それぞれに本来の税額+ペナルティが加算されます。状況と税務署の判断によって、本来の税額の50%から100%近くの税額が、遡って課せられることが有ります。
その上住民税や国民健康保険料も修正されるので、ちょっと怖いハナシになります。
4.まとめ
昔から泣く子と地頭には勝てぬと言います。
地頭とは現在の税務署のこと。長い歴史の中で税務署は私たちの収入・所得を把握する方法をいくらでも持っています。
納税は国民の義務でもありますので、タカをくくらずに、収入・所得が有った時は確定申告をしましょう。
各種の控除も有りますので、よほどぼろもうけをしているのでなければ、そんなに怖がるような税額にはなりません。
事業が軌道に乗ったら、青色申告に切り替えましょう。特別控除が有ったり、赤字の年は翌年に繰越が出来るなどの処置も有りますよ。