株式会社の資本金はいくらが効果的?3つの判断基準に注目!

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社会人になって経験を積んでみると、自分のアイデアを形にしたい、とか、自分のやり方で結果を残したいなどの理由で、独立や起業を考える人が居ます。自分の考えたビジネスモデルを試してみたいと、夢は広がります。しかし現実に起業しようとした時、まず頭に浮かぶのは、資本金のことではないでしょうか。

「1円」で会社を設立できるのは知っているけど、実際の取引を考えた場合「資本金 1円」の会社と自分だったら取引するだろうか?では一体いくら用意すればいいのだろう?

これから独立を考えている人に、準備すべき資本金の目安をレクチャーします。

1.そもそも資本金とは

株式会社の資本金は「会社を運営するために、発行される株式と交換することによって集めた資金」のことです。出資者があなたなら、あなたが株主であり、第三者が出資者でしたら、出資をした人が株主になります。

株式会社の資本金が多いことは、社長がお金を持っている、または、社長がお金を集める能力が有るとみなされます。どの会社も新規取引の際には、取引先の信用度を計りますが、資本金額も社会的信用力の指標になります。

資本金は、事業に必要と設定した資金であり、業務を支障なく行うための資金ですので、会社設立後は、事業運営のために自由に使うことが出来ます。

2. 会社設立の資本金はいくらが良い?3つの判断基準!

さてここからは資本金の額を決める基準を紹介していきますね。

2−1.半年先まで予測した事業に必要な資金

通常用意すべき資本金は、初期費用プラス3か月分の運転資金と言われています。売り上げが現金化され事業が軌道に乗るのに、最低でも3カ月は見ておきたいからです。

初期費用は仕入れの金額のほかに、業務の形態や事業規模にもよりますが、事務所を借りるための費用や、各種OA機器、社用車や事務用品などの費用になります。初期費用が200万円、3カ月の運転資金が100万円とすると、計300万円の資本金が必要になってきます。

さて、自分は1,000万円用意しているから、1,000万円を資本金にしたいと思っている人は、次の項目を読んでしまうまでちょっと待ってください。

2−2.法人税と消費税の特例から決める

会社設立時の節税方法の一つに、消費税の免税期間を活用する方法が有ります。

消費税は基準期間(2期前)の課税売上高が1,000万円を超えるかどうかで、免税事業者であるかどうかの判断をします。しかし資本金が1,000万円を超えている事業者は、初年度から課税事業者となってしまいます。

つまり、資本金を1,000万円未満にして起業すれば、会社設立から2期(2年)は消費税納付の免税処置が受けられることになります。将来的に消費税増税は避けて通れないようです。ここできっちり節税をしておきたいものです。

さらに、法人住民税に均等割りというものが有り、これも資本金が1,000万円を超えるかどうかで均等割り額が変わってきます。1,000万円未満の場合は7万円、1,000万円〜1億円の場合は18万円です。ここでも節税を考えると、資本金は1,000万円未満が望ましいようです。

2−3.事業規模や取引先との兼ね合いから決める

貴方が新規取引先を選ぶ場合、企業対企業でしたら、まずは与信調査を行うでしょう。

登記簿謄本の提出や、決算書の提出を求められることは珍しいことでは有りません。新規に起業した時は決算書が有りませんから、相手があなたの会社を判断するのは、資本金であったり、事業所の所在地であったり、あなた個人であったりします。資本金に余裕があることは、会社としての信用力を高めます。

また、事業規模の割に資本金が少ない場合も、企業の信用力は下がります。事業規模に応じた資本金額は、同業他社などを参考にするといいでしょう。

貴方の独立を応援してくれる企業がある場合などは、特にその企業の与信の取り方などをリサーチして資本金額を決めましょう。

3. 判断基準から新規設立会社の資本金の妥当額

前項で述べたような判断基準から考えていきますと、新規設立会社の資本金は、「1円」では社会的な信用が得られないので、事業の継続そのものが難しいことになります。そして税金対策から「1,000万円未満」が良さそうだというラインが出てきました。

実際の平均額を調べてみますと、「資本金300万円」での起業が多いようです。仮に500万円の出資があった場合に、資本金を300万円、残りの200万円は資本準備金としておきますと、初年度に赤字を出してしまったようなときにも、資本準備金を取り崩すだけで済みます。これは、減資という信用面でのマイナスを防ぐ方法にもなります。

4.まとめ

起業するにあたって資本金を決める際にも、事業計画は欠かせません。自分の進みたい道を進むために、ここは緻密に計画を練ってください。

事業計画と言っても、具体的な形がピンと来ない場合もあるかも知れません。そんな時は、日本政策金融公庫という、100%政府出資の金融機関のホームページを参考にしてみてください。ここの国民生活事業に、創業融資の書式が有ります。創業計画書や企業概要書、雇用計画維持・拡大計画書等の様式が用意されています。

これらを概算で作ってみると、自分の考えている事業の形がよりはっきりしてきそうです。これらを参考に初期費用や、ひと月の運転資金の必要額などの概算を出せば、資本金額の決定も容易になります。

 

これから先は余談です。

資本金の準備方法に、せっせと貯金する方法と、金融機関から創業融資を受ける方法や、出資を募る方法が有ります。

自分でせっせと貯金した人は、お金を貯めることの大変さが分かっているので、大丈夫と思います。しかし、金融機関などから予想以上に資金が調達できた人は、心してください。資金の潤沢さに、緊張感が緩んで、気が付いたら返済資金が無い!なんていう状況に落ちいってしまった人を何人も見ました。

頭で考えるだけでなく、実際に計画書などの書面に落としてみることをお勧めするのは、そんな理由からです。

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