起業失敗の体験者が語る!失敗の5つの原因と復活方法

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
ビジネス街画像

信用調査会社の統計によると、企業の平均寿命は23.5年(2014年統計)となっています。昔は企業の寿命は30年と言われていましたので、時代の流れと共に企業の寿命は短くなっているようです。

では、起業した場合はどうでしょう。起業後1年以内に倒産の憂き目にあうのは約27%、3年後には約62%にまで増えます。そして10年後の企業の生存率は6%と言われていますから、94%もの企業が姿を消すことになります。

経営者として企業を存続させることは、大切な使命です。倒産の体験者を反面教師に、企業存続の道を考えてみましょう。

1. 体験者の失敗の経験からビジネスに活かす

起業画像

社会に出てビジネスマンとしての経験を積んでくると、自分の夢ややりたいことがだんだん具体化してきます。それがビジネスと繋がり、自分の営業力や企画力、技術力に自信が付くと、そろそろ起業をしようかと考える人も出てきます。

そこで実際に行動に移した時、成功する人と失敗する人の違いは何でしょう。事業を失敗した人の経験から失敗しないポイントを探ってみましょう。

2. 起業に失敗する原因を探る

2−1. 起業失敗の原因1 仕入れ先の確保が甘かった(A氏)

私は学生の時に21歳でギフト品を取り扱う会社のF支店の支店長に抜擢されました。
アルバイト先で真面目な働きぶりを見ていた社長が、自分の会社に誘ったのです。支店長と言っても最初は一人支店長です。退学し、2年間は必死で働きましたので、順調に売り上げも上がり3人ほど人を雇うまでになりました。

ここまでは順調だったのですが、29歳の時、本社の売り上げ不振のあおりで倒産してしまいました。私の営業力を評価していた銀行が、創業資金を融資しますからと熱心に進めるので、私は資金のすべてを銀行からの融資に頼り、今までの従業員を引き連れて会社を興しました。

今までの顧客は私から商品を購入することに異存は有りませんでした。これで上手くいくはずだったのですが、私の見通しが甘かったのは、仕入れに関してでした。
仕入先は私が所属していた会社が倒産したことによって、被害をこうむっています。今までと同じ条件で私に商品を卸せないと言ってきます。

私はこの当然の要求を考えに入れていませんでした。現金仕入れで掛け売上、資金繰りが悪くなるのは当たり前です。仕入を圧縮するために仕入れ商品を絞ると、顧客の満足度が下がります。
段々顧客も離れて行き、1年で私は会社をたたむことになりました。銀行から融資を受けた1,000万円の借金だけが残りました。

2−2. 起業失敗の原因2 貸し倒れ(B氏)

私は技術力、営業力ともに自信が有ったので、独立して食品製造機械の販売や修理、メンテナンスの会社を興しました。株式会社にしましたが、一人社長です。独立する時大口の顧客が自分に付いて来てくれたので、経営は順調に推移していました。取引先も徐々に増えてそろそろ人を雇おうと考えていた頃、その大口の顧客が倒産してしまいます。

売掛金が500万円ほど回収不能になってしまいました。私はちょくちょく顔を出していたのに、その会社の経営状態に注意を払っていなかったのです。機械をメンテナンスするのですからその会社の設備投資の状況など、いくらでも判断する材料はあったのに。悔しい思いをしても、後の祭りです。500万の回収不能をまともに食らって、自分も会社をたたまざるを得ませんでした。

2−3. 起業失敗の原因3 サービス過剰と自転車操業(C氏)

私は事務機器の商社出身です。コピー機(複合機)に特化した事業を展開しようと独立しました。コピー機(複合機)は企業等には欠かせない事務機器です。金額も大きいので
今までに築いた人脈で何とか続けていました。私のつまずきの元は、サービス過剰とリースの下取りの仕組みを利用した自転車操業でした。

新機種を購入してくれたら、用紙代とチャージ料は毎月のリース代にのせて、定額でコピー機(複合機)を利用できるというシステムにしました。もちろん、おおよその用紙代とチャージ料は含んでリース料は組んでいました。しかし他社との競合で値引きをせざるを得ない時は、「何とかなるだろう」的な営業になってしまいました。

資金繰りに困った時に、リースの下取りの仕組みに気づきました。リース期間が終了間近の会社に営業を掛けて新機種を導入してもらい、リース残高を精算しつつ新しいリースを組むと、一気に資金繰りが楽になります。

しかしこの方法を繰り返すと、結局自分で自分の首を絞めることになります。私の会社は5年と持ちませんでした。

2−4. 起業失敗の原因4 不良品の販売で信用を無くす(D氏)

私は化粧品の販売会社を立ち上げました。自慢に聞こえますが、私の営業力と商品力で、3年後には年商5億を達成しました。ちょっと成功者の気分を味わっていたある日、新聞で私の取り扱っている化粧品でアレルギーを起こした人が沢山出た、という小さなニュースを見ました。

私は商品にも自信を持っていたので、アレルギー体質の人が自社の化粧品と合わないだけだろうと、このニュースへの初期対応を誤りました。

その結果、該当商品以外でも返品・返金の要求が高まりました。化粧品はイメージも大事な販売要素だということを忘れていました。イメージと信用を損なって売り上げは激減し、私は自己破産しました。

2−5. 起業失敗の原因5 店舗展開の失敗(Eさん)

私はカフェを経営していました。一人でやっていたのですが、なかなかはやっていて、資金が潤沢に溜まってきました。私は親が持っていた近くの土地に小さなビルをたて、1階をテナントにし自分は2階に2号店を出店しました。Eさんの体は一つですから、2号店は誰かに任せることになります。

今まで自分一人でやっていましたから、2号店の店長の教育を急ぎましたが、自分と同じようにできる人はそうそういません。1号店も留守がちになりお客様が離れていきました。

1階のテナント料をビルの建築費の返済に充てようと、2号店を2階にしたのも失敗の原因だったかもしれません。2号店を採算ベースに乗せることができないまま、ビルの建築費だけが借金として残りました。

3. 失敗してしまったらどうなる?

起業に失敗すれば残るのは借金だけ。ということがほとんどです。無借金で倒産はまず有り得ません。最悪自己破産するケースも多く有ります。

上記にあげたA氏の場合は、奥さんが若くて美人だったので、クラブ勤めをして借金の返済に協力しました。A氏本人はサラリーマンとして真面目に働きました。夫婦の努力のかいあって、6年で無事に借金の返済は終わりました。A氏は今もサラリーマンです。

B氏はしばらく支援してくれる人の会社の、嘱託と言う形で勤務しました。その後また自分の会社を興しました。今度は以前のように楽な経営は出来ていませんが、与信に関して慎重になっています。
このように一度失敗すると、サラリーマンであることに甘んじるタイプと、やはり独立していく人とに分かれるようです。

A氏は幸い、まともな企業に正社員で入社できたからかもしれません。起業に失敗した人の再就職は、実際にはかなり厳しいものです。

受け入れる側としては、順調に売り上げを伸ばせる実力が無かったのでは?とか、うまくいくようになったらまた独立を考えるようになるのでは?と言ったことが頭をよぎるからです。

4.失敗から復活への道筋

一度くらい起業に失敗しても、最終的に復活する人も沢山います。独立志向が強く学生のまま起業して失敗、1年間休学して世界を回りまた起業、なんていう若者もいました。

起業に失敗しても復活できる人たちに共通していることは、独立を諦めない心、失敗を教訓にする心を持っていると言う所でしょうか。復活には支援者の力も大きいですから、普段から人間性やスキルを磨き、支援者を作る努力もしているようです。

5.まとめ

起業を考えた時、やはり失敗したらどうしようという不安は付いて回ります。失敗するからには必ず原因が有ります。事業計画の甘さだったり、会社の看板の上で営業成績が上がっていることを忘れて天狗になっていたり、資金の準備を借入金に頼ったり、人材を集めるために見栄を張りすぎたり・・・。

そんな先人たちの失敗例を教訓に、緻密な計画を練って起業してください。「社長と乞食は一度やったらやめられない。」と言うことわざ?も有りますから。

SNSでもご購読できます。

© Copyright 2017 起業サポートオフィス. All rights reserved.